嘘つき。
「俺は佐野剣悟。あと一人いるんだが…あいつは…」
「あぁ、島田優麻ちゃん?さっき会ったよ。何かメアド貰っちゃったけど」
ほら、と、優麻のメアドが書かれた神を見せる工藤…郁哉。
「俺のことは、郁哉。こいつは優衛って呼んであげてな。よろしく、祈沙ちゃんに剣悟」
…俺は呼び捨てか。
別に構わないけど…
「名前は勘弁しろよ」
「分かんなくなるだろ?工藤なんてほかにもいるかもしれんしな」
「…勝手にしろ」
そんなやり取りを見ている祈沙は、何だか楽しげだった。
それを…寂しく思う俺は、心が狭いのだろうか…?