嘘つき。
あっという間に帰る時間になり、必然的に、祈沙はもちろん、工藤…優衛と郁哉も一緒に帰ることになった。
「祈沙ちゃんと剣悟は家どこらへん?」
…それを聞くのか…
チラッと祈沙を見ると、小さな笑みを浮かべていた。
『俺は…児童保護施設の隣のマンション』
「あー、あそこね。はいはいはい…」
バラエティの司会みたいだな…
「祈沙ちゃんは?」
「あたしは…その児童保護施設だよ」
笑いながら、祈沙は言った。
「………え……?」