嘘つき。
波瀾万丈?!体育大会。
Said 祈沙
高校に入学して一か月。
クラスのみんなとも馴染むことができ、楽しい日々を過ごしていた。
「そう言えば、後少しで体育大会だな」
剣悟くんが、思い付いたように呟いた。
その言葉に、あたしの背筋は凍った。
『え……そ、そうなの…?』
「あれ?祈沙ちゃん、運動苦手?」
「いや…祈沙はそんなんじゃない。むしろ大得意だよ。…大得意だけど…」
剣悟くんの言う通り。
運動は得意。
得意…なんだけど……
「体が弱い、とか?」
「んや。そーでもない」
「な、なんなんだよー?」
チラッと剣悟くんはあたしを見た。