にゃんころ話
そうだ。



俺は


小さい頃、

この家に

拾われた
事が
あるんだ。




思い出す。





家の中は


暗くて

ほこりっぽくて

何にもない。



けど、

そんな家が




大好きだった。







…何でだろう?



俺は
かなり綺麗好きだ。

ほこりなんて

許せない。





なのに
この家が
好きだった?




理由があるはず。



理由…






はっとした。








「にゃぁ…。」







じいちゃん…。






無意識に、

声に出して
呼んでいた。






風と一緒に
懐かしい
香りがした。
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