にゃんころ話
一度だけ、
じいちゃんに
拾われてから

二人で
散歩をした。



俺は
じいちゃんに
抱えられ、

じいちゃんを
見つめていた。





海。






綺麗だった。


水平線が
きらきら
まぶしくて、

じいちゃんの
腕に
隠れた。



じいちゃんが


砂浜で
昼食だと
言って、


梅干の
おにぎりを

ひとかけら
もらった。



すっぱかった。



帰り道に
梅干の種を
海岸沿いの
植木に


はき捨てて
いた。









行こう。









嫌いな雨が
激しくなる中、

俺は
ゆっくり
歩き出した。
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