にゃんころ話
にゃんころ…。



本当に

本当に

ありがとう。



にゃんころ。

じいちゃんは

お前の
無事だけ
祈ってた。

火事の時、
にゃんころが
いなくて、

本当に
安心した。


じいちゃんは
幸せに
死ねたんだ。


お前と
生活できて、

お前に
会えて、

お前が
死ななくて、


じいちゃん

嬉しかった。


ずっと
見ていたんだ。

ずっと
ずっと

空から
見ていたんだ。


もう
なかないでくれ。

にゃんころ。


じいちゃんが

傍にいるから。





会社に
捨てられ、

家族にも
捨てられ、


じいちゃんには
にゃんころ、


お前だけ
だったんだ。




じいちゃんには

お前が

唯一の

誇りだったんだよ。







お前が

愛おしくて

愛おしくて

しょうがない。







にゃんころ…。





こんな老いぼれと

あんな汚い家で
過ごしてくれて、






幸せをくれて、








本当に

本当に

ありがとう。
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