1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
仕事を終えて、日付が変わろうとしている頃にアパートに帰り着くと、珍しくラミカは起きて待っていてくれた。
「お帰りなさい!」
「ただいま」
ラミカは俺の髪をジッと見てくる。や、やっぱり似合わねぇ?
「髪の色だけで印象変わるね。聡ちゃんじゃないみたい! 来て、洋服も眼鏡も準備したから」
ラミカに手を引っ張られて、リビングで着せ替え人形にされる俺。
シャツにベスト、ネクタイからパンツまで一式揃えてあった。
「お前、この服どうしたんだよ?」
「被服室で作った。メンズものも、お父さんの服を作ったことがあったから。昼休みと放課後に頑張ってきた」
「手作り!? すげーな!」
「そんなことないよ。聡ちゃんの洋服を一着借りて、寸法測って型紙おこしちゃえばあとはミシンでタンタンと」
器用すぎるだろ……家事全般をこなせて、こんな特技があるなんて感心してしまった。