1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】



「布地は先生が安い店で仕入れてきたり、いらない服を持って来てくれるからタダだよ、タダ! おいしいよねぇー」


「ぷっ……お前らしいな」


「そう? うーん……ネクタイはいらないかな。従兄のお兄ちゃんにしては固すぎるもんね。眼鏡は友達からダテ眼鏡借りてきた」



いつもかけている眼鏡よりも縁が太くて、なんか違和感……


渋々かけると、ラミカは満面の笑顔になった。



「かっこいい!」


へ?


「超似合ってるよ! 鏡見てきて!」



ラミカにかっこいいなんて初めて言われた。照れ隠しに髪をかきながら、洗面所に行って自分の姿を見た。



………………………。


「何だよ!? この弱っちい草食なんたらみたいな格好はっ!」


「清潔感あって、真面目そうに見えていい感じだよ?」


「俺は真面目に見られるのは嫌なんだよ! なめられるのは好きじゃねぇ」



ラミカはこんな風貌の男が好みなのか?


俺らが学生の頃に、カツアゲのターゲットにしてそうな格好をさせられていてさすがに拒否反応が出た。




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