1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
――翌日。
ラミカの通っている学校に来た。もちろんあの優等生な痒い格好で。バイクは改造してるからうるさくて学校には乗って行けないし、仕方なく徒歩。
知り合いに会わないように、さっさと歩いたら予定の時間より早めに着いた。
「聡ちゃん! こっち!」
校舎の下駄箱でラミカが待っていてくれた。隣には背の高い茶髪ボブの女。
「親友のテルミだよ。で、一緒に住んでる聡ちゃん。テルミにだけ聡ちゃんのことは話してるの」
「どうも」
「どうも」
ニコリともしねぇな。ラミカの親友だからもっと明るい女を想像してたのにかなり無愛想。……ま、人のこと言えねぇけど。
「全然ヤクザに見えない。完璧な変装じゃん」
「でしょ?」
「あとはもう少し笑顔で話したほうがいいですよ。うちの担任、鋭いから。バレないように頑張って下さいね」
「……ああ、うん」
愛想笑いが嫌いな奴なんだ。話してみれば自然な笑顔でアドバイスされた。俺に少し似てる。
そう、俺は愛想笑いは大っ嫌いなんだよ!ばれないように気をつけねぇと。