1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
「お兄さんの考えは?」
え?俺?
「……ラミカの好きなようにさせてやりたいです。ただ、ラミカは我慢するところがあるから。そこは遠慮せずにきちんと吐かせるんで」
きっと俺を目の前にして、金を気にして本音を言えないんだろ?
「吐かせる……ですか」
げっ、素が出た!ボロが出た!
「いや、強情な性格だからこのくらい言わないと」
「もう結構ですよ。普段通りに話しても」
「え?」
「保険の営業マンならその服装はおかしいし、名刺を持ち歩かないなんて不自然ですよ。次からは気を付けましょうね」
下手な演技は終わりにさせて俺の正体を暴こうとしてるな。何もかも見透かした顔が腹立たしいけど、隠し通すしかねぇ。
「聡一お兄ちゃんは仕事とプライベートは分けるタイプなんです!」
「ふーん……。じゃあ、お兄さんに質問します。ラミカの父親の名前は? あなたのおじにあたる人の名前だ。もちろんご存知ですよね?」
ラミカの親父の名前?そんなの……