1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
「ただ、覚えておいて下さい。本来ならば、自分の大切な生徒が反社会的立場のあなたとひとつ屋根の下で暮らしていることは黙認できません。ラミカが脅されて一緒にいると世間は思います。ラミカに何かあった時はどんな理由であれ、全力で私はラミカとあなたを引き離しますから」
黙って聞いていた俺の横で、ラミカは机を叩いて立ち上がった。
「脅されてなんかいません! 聡ちゃんはあたしを助けてくれたんだから!」
「ラミカ、独り言に答えちゃダメだろ。先生、進路については家でも話し合うんで帰ります」
「はい。よろしくお願いします」
緊迫した空気は最後は和やかなものに変わった。こうして、三者面談は終了した。進路指導室から出た瞬間、肩の力が抜けた。
「……先生、聡ちゃんのこと知ってるみたいだったね」
「確実にな」
「ブラアンって何? 黒あん?」
「俺はつぶあん派だけど」
「あたしは白あん派だなー」
……ラミカのボケにはこうやって返せばいいことに最近気づき始めた。
超、進歩。