1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
「うん! 聡ちゃんがいい! 年上の聡ちゃんを呼び捨てにはできないもん」
「……別にいいけどよ」
プイッと横を向いて、聡ちゃんは私から顔を背けた。ん?もしかして照れ隠し?
かわいいー。追いかけられた時は怖かったけど、やっぱり普通に会話を交わしている時の聡ちゃんは優しい。
「あ、お金……300万なんて大金、あてはあるの?」
「ああ、心配すんな」
「……きちんとバイトして少しずつ返すから」
「バカ。取り立ての俺が言うのもなんだけど、親の借金は支払い能力のない未成年の子供が支払う義務はねーんだよ」
え?
「そうなの!? なんであのおじさん、あたしを風俗店で働かせてお金を取り返そうとしたわけ?」
「ぷっ……おじさんって言うのもやめろ。俺、おかしくて笑っちまって怒鳴られただろ。あの人は堂島さん。堂島さんがやってることは、まぁ違法だらけなわけ」
違法?確かにあたしの年齢じゃ、風俗店では働けないはずだよね?