1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
「見ろよ。体を引きずられたような跡がある。駐車場のほうに続いてる」
バックが落ちていた現場に行くと、恒が砂の跡を慎重に追っていた。
「両端にも足跡があるな。二人に抱えられて……て、ところか」
「こんだけ人がいるんだ。目撃者がいるはずだから、聞いて回ってくれねぇか」
「はい! お前ら姐さんの写メ見せて聞いて回るぞ!」
「うっす!」
……いつの間にラミカの写メを撮ったんだよ?蘭の携帯を覗いたら、ツーショットでコンビニの前で撮られた写真だった。
「これ、みんな一枚ずつ撮ったのか?」
「はい、あ、ダメでしたか?」
「いや、別に……」
俺はまだ一枚もラミカと写メを撮ってねぇけど、拗ねてる場合じゃねぇし。
「聡一、ラミカちゃんが連れていかれた理由に心当たりはないの?」
「心当たり?」
「一人は確実に女だよ。ヒールの跡だもん」
エミちゃんは砂に残された足跡を指差した。女に拉致られるような心当たりなんて……
そういえばあいつ、昨夜は珍しく元気なかったよな。悩みがあるって言ってた。それと関係があるのか?