1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
「初めまして、聡一の友達の恒です。よろしくね」
「初めまして! ラミカです。今日はよろしくお願いします!」
………………………。
「キャラにもねぇ爽やかな挨拶してんじゃねーよ!」
「心外だなぁ。いつも僕はこんな感じだよ」
俺のアパートに来てラミカを見たとたんに目をキラキラさせやがって。完全にラミカを気に入ったな。恒の嫁も確か17歳。
「……エミちゃんに言いつけるからな」
ボソッと呟くと恒は俺の腕を強く握ってきた。そしていつもの表情より険しい顔で口を開いた。
「それだけはマジで勘弁してくれ!」
「冗談だよ。エミちゃんがキレたら俺もこえーよ」
一度、エミちゃんが産後で実家に帰ってる時、恒に結婚前からずっと言い寄ってきていた女が家まで押しかけてきて
たまたま帰ってきたエミちゃんと居合わせてしまった時、浮気だと勘違いされて
血祭りになった。
女同士の殴り合いはマジでこえー。手がつけられないと呼び出された俺も爪で顔をひっかかれた。
だから恒の嫁さんは俺も怖い。恒は浮気するような奴じゃないけどな。