1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
「ご飯食べてきた?」
「いや」
「良かった! カレー作ったから食べて」
部屋に入ると床はピカピカに光っていて、綺麗に片付いていた。
「掃除してくれたのか?」
「だってゴミの分別もしてないんだもん! 掃除機かけて、雑巾で拭いたよ。あとお布団も干したから今日は太陽の匂いがするよ」
太陽の匂い……
ラミカらしいな。
素早く温めなおされたカレーを皿に盛ってスプーンと一緒に俺の前に置いてくれた。俺の嫌いな人参は小さく刻まれていた。
「……好き嫌い、恒に聞いただろ?」
「ははっ、ばれた。食べて?」
スプーンですくって一口食べる。ラミカにジッと見つめられて、食べにくいし……
「……うめーよ」
「本当?」
「ああ」
「間があったし。美味しくないならきちんと言ってよ。あたし頑張って聡ちゃん好みの料理を作れるように頑張るから」
間があったのはマジで照れ臭かったから。ラミカを目の前にすると素直になれねぇ自分がいてかっこわりぃ。