1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
「家事得意だろ? 俺、掃除とかめんどくせーからしねーし。あと一緒に飯は食え。一人より二人で食ったほうがうまいから」
ガラにもねぇことまた言っちまった。でもラミカがバイトをして、借金を返済すると言い張るならこの案はいいと思った。
「お前が高校卒業するまで。それで借金はチャラだ」
「……そんなんで……いいの?」
「普通にハウスキーパー雇ったらそんくらいする」
知らねーけど。
ラミカは立ち上がると小さな皿にカレーを盛って、俺の前に座った。
「ありがとう。いただきます」
手を合わせて、ゆっくりとカレーを食べるラミカ。目に涙をいっぱいためてる姿を見てため息をついた。
「何、泣いてんだよ」
「ふぇ……だって聡ちゃんが優しいから」
「優しくねーよ」
下心しかねぇクズだよ。俺は……
卒業するまでに俺のもんにしようと思ってるなんて分かんねーだろ?久しぶりに食った二人での飯はうまかった。
そして寝ようと電気を消そうとした時、ラミカは枕を俺の布団の右端に置いた。
「お前、枕だけ持ってきたのか?」
「布団はあるし。持ってきたほうがよかった?」
「別に」
完全に安全な男だとラミカの中では認識されてるみたいだけど
いつかきっと、俺のことしか考えられなくしてやるから覚悟しとけよ?
第2話:終わり