1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
第3話:あたしの王子様
「聡ちゃん、おはよう」
「おう」
あたしの今の保護者代わりの聡ちゃんは、目をこすりながらフラフラと起き上がった。
聡ちゃんはヤクザのお兄さんなのにとっても優しい。
「ラミカ、コーヒー」
「はーい。今、食パンも焼けるから待っててね」
あたしのピンチから助けてくれて
家に帰れないあたしに一緒に住むかって言ってくれて
あたしが危険な目に合わないように、強い恒さんをボディーガードとしてつけてくれた。
ずっと、学校の図書館で読んでいた童話の中の王子様みたい人。
――そう、あたしにとって聡ちゃんは王子様みたいな存在なんだ。