1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
「聡ちゃんの金髪って綺麗だよね。地毛?」
「んなわけねーだろ! どう見ても日本人だろ!?」
怒られた。でも瞳の色が少し茶色いから……どこか違う国の血が混ざってると思った。
「はい、コーヒーと食パン」
「……食パンじゃなくてこれはミミだろ?」
「食パンのミミだから食パンじゃん!」
「今月の食費3万は渡しただろ!? 食費だけはケチんな!」
また怒られた。
あたしの価値観と聡ちゃんの価値観はだいぶ違う。まぁ、うちは超ド貧乏だったから仕方ないけどさ。
「でも美味しいよ? 食べてみて?」
フライパンで焼いた食パンのミミにマーガリンと砂糖を塗ったもの。聡ちゃんは嫌な顔をしながらも一口かじった。
「……普通にうめーな」
「でしょ!?」
幸せな朝ごはんの時間。あたしは制服に着替えて、学校に行く準備をした。