1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
「降りろ」
無理やり制服を引っ張られて連れて来られた場所は四階建てのビル。
最上階に行くまでに、見てはいけないものをたくさん見てしまった。
狭い通路に貼られた紙には料金、オプション、コースが書いてあって……文字を見ただけで大人が来る店だと分かった。
「ふ、風俗で働かせる気?」
「ピンポーン。ねーちゃんは若いし、かわいいからすぐにナンバーワンになれるぜ。借金返済も頑張れば一年ですむから頑張れよ」
ふざけた答え方しやがって!四階は店ではなくてヤクザの人ばかりが集まっている事務所だった。
ジロジロとたくさんの怖い風貌の男達に見られるあたし。こ、ここで集団で襲われたりしないよね?
怖さは頂点に達して、涙が溢れて泣き出してしまった。
「ふぇ〜」
「お前っ、泣くなって」
お兄さんはあたしの涙を無造作に拭うと、両手にはめられた手錠を外してくれた。