【完】無知な彼女の周り
□文化祭
今日は帰ってもやる事ないし、暇なだけだ
ふと外を見れば、主人公とバカが仲良く帰っているのが見える。なんだ。心配しなくても話は進んでるんだ、良かった良かった。
でも、もっとおもしろい展開を見たいなぁ…
そういえば、もうすぐ文化祭じゃね?
仕掛けるタイミングがたっぷりある感じじゃね?
そう思ったらなんか文化祭が楽しみになってきた!!
「…ねぇってば!!」
「はい!?」
「やっと振り向いてくれた…」
「…え、ごめんなさい」
なんだ?
ずっと呼ばれてた感じか?てか、冬紀が何でここにいる
「ねぇ遥花ちゃん、
最近様子が変だよ?何しようとしてるの?」
「…何の話ですかー?」
まぁ、冬紀は幼なじみだし、性格の違いが分かったのかな?でも、それ聞かれるのは2回目だよ?
「前もそうやって
はぐらかしてさ、
ずっと様子見てても
作り笑いとか、話し方とか全然違うし…
まるで別人みたい」
悲しそうに言われたけど
そりゃあ違うよって言葉しか出てこない
いっそ、冬紀を突き放したほうが良いのかな?
私の幼なじみってなるだけでも恋愛には邪魔になる可能性ってあるよね
他人になったほうが
色々都合が良いかもしれないな
「何言ってるんですか
私はずっとこのままですよ」
冬紀がいう作り笑いと話し方で言い返してみた
「…遥花ちゃん…
僕にもなんだね」
今にも泣きそうな顔で
冬紀は続けた
「…そうだよね、
遥花ちゃんにとっては
僕なんて、その辺の他人と変わらないもんね、
僕がひとりで騒いでただけだよね…」
私の一言で
すべてを理解したのか冬紀の中で何かが大きく変わったみたい
「じゃあね」
そういって教室を出ていく冬紀の後ろ姿はいつもより小さく見えた
そういえば、冬紀が
他人になった今、
私、友達居ないや