【完】無知な彼女の周り
さ、私も帰るか
カバンを持って
立ち上がったとき
「………」
あー、やっぱり
ひとりは寂しい…な…
最後に見た冬紀の顔は
ひどく傷ついてた
…ずっと幼なじみ
やってきたのに…
…まぁいい
ひとりは慣れてる
冬紀にはちゃんと
加奈子ちゃんがいるし
「さ、帰ろう」
下を向いてた顔を上げれば、教室には不良が荷物を取りに来てた
「あの、さようなら」
帰るんだろうし、
別れの挨拶でも言ってみる
「…お前、今
情けねぇツラしてっぞ」
人から見て分かるくらい
情けない顔してるのかな?
って思ったから
目を少し強めに擦ってたら
いつのまにか近づいてきた不良に
「…お前が悪い」
って耳元で言われて
目の近くにチューされた
そして、そのまま
帰っていった不良
え?冬紀との会話
聞かれてた?!
てかなぜにチューした?!
と1人悶々と考えるのでした。
「……ッ最低…」
と言い放つ
誰かが動き出す