【完】無知な彼女の周り

「ねぇねぇ
この服どう?かっこいい?」

ってメガネが部屋の隅に作った衣裳室から
黒いスーツを
着てなんか登場してきた

いいえ。

って言ってみたいなぁ
まぁ似合ってるし、カッコついてるから言えない
その前に刃向かうから言えない

「カッコいいです」

「だよねー」

…だよねーってなんだよ
理解済みかい
じゃあ聞くなよ

「あ、そうそう
ウエーターの服も出来てるから、着てみて」

「ホントですかー?!」

着なくてもよくね?
サイズとか後々でよくね?
とか思いながらも
着なきゃなんないから
着るしかない

「はい、これ着てー
髪は一つにまとめてね」

「はーい」

「脱ぐの手伝おうか?」

「…なんでですか?」

服も一人で脱げないって
なにごと?!
一人で脱げるよ?!
私をなめんな!!

「ハハハ…鈍いなぁ君は」

「そうですかー?」

もういいから早く出てけ
さっさと
済ましたいんですよ
まぁいいか、着替えよう

「…あれ?俺いるよ?」

「はい、居ますね」

居ないと思ったのか?
こいつは頭パーなのか?
と思いながらも着替えは続行中

「俺に裸見られても良いのかい?」

「あはは、女の身体なんて貴方なら何度も見たでしょう?なにを今さら言ってるんですか」

こいつはタラシだし
見飽きたぐらい見ただろ

「…君は俺をなんだと思ってんだよ」

とか言って去っていった
なにってメガネのタラシじゃね?





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