【完】無知な彼女の周り
体がゆれる感じと
温かい感触とで目を覚ました
目を開けたら
誰かに背負われているようだ
あ、抜け出せたんだ
この人が助けてくれたのか
誰だろ…?
「あ!!遥香ちゃん大丈夫?」
「……冬紀」
私より身長低いくせに私をおんぶするなんて…
「もうおろしていいよ」
「う、うん」
「でもなんで分かったの?」
「…遥香ちゃんの事心配で帰った後家に行ったんだけど出てこないし、なんか胸騒ぎしたから、学校に戻ってきてケータイを鳴らして居場所探したら…」
「トイレに閉じ込められてたって事でしょ?」
「…うん、
ねぇ、誰がしたの?」
「言わないよー
知らない人だし…
…へっくしゅ」
あ、風邪引いたか
「上着貸すから早くかえろ?」
「ううん、いらない」
自分のブレザーはトイレの床に敷いたものだ、クリーニング出さなきゃ着れないし、冬紀のブレザーを濡らすわけにも行かないからね
「早くかえろう
晩ご飯食べなきゃ」
「うん」
…明後日、学校休むか
風邪って事にして
今さらだが思った。
人をおとしいれてまで、誰かを愛せるって凄いことだし、気持ちは主人公によってるんだ良い思いくらいしたっていいじゃないか
よし、私の立場を譲ろう
それを明日いわなきゃな
人を愛したことのないが
思いやりだけでも