【完】無知な彼女の周り
次の日―――
完璧に風邪引いてしまった…
まぁいいよ、今日、私を閉じ込めたあの人に伝えられたらそれでいい
まだまだ授業の始まらない時間、閉じ込められてたトイレの前で待ってみることにした。様子見にくるくらいはするっていう魂胆で
ブレザーも無いし、今日は昨日より寒いし、その前に頭が痛い…
「お前、こんなとこで何してんだよ」
「…何でもないです」
急に現れた不良ヤロー、不良は遅刻してくるもんだろ、何張り切ってんだよ
「…お前、顔赤くないか?」
「あれ?照れてるんですかね…?」
「は?」
「好きな人、目の前にしてるから」
「お前、何言ってんだよ?」
あれ?思考回路が狂ったか?この台詞言うのはまだまだ先のはず…もっと主人公に気持ちが寄ってないと意味が無い
「嘘ですよ、真面目に捕らえないでください」
「てめぇ…」
「あ、来た」
昨日、私を閉じ込めた子がやっときた
「あ、ちょっと話があるんだけど」
「…なに?仕返し?」
「違う。明日、私、学校休むから、王子様の所へ行けば良いよ」
「何いってんの?あたし、あんたを閉じ込めたんだよ?」
「それって王子様と一緒に居たいからでしょ?」
「そうだけど…」
「ならいいじゃん」
そういって私は教室に戻ることにした。もう教室には何人もの人が来てて、予鈴も後五分で鳴る
あ、たえられない……
頭が痛いし、ふらふらなのに立ってたのが悪かったか、でも、倒れるわけにはいかない…なんとか廊下に出ないと…ふらふらの足でやっと廊下に出ると、そこにはバカが立っていた。しかし、こいつに頼るわけには行かない…なんとか保健室に…行かなきゃ
「大丈夫?ふらふらだよ?」
目合ったもんなぁー
見逃せないよなぁー
「大丈夫です」
と強がってみたが、そのまま座り込んでしまった
「ちょっ、大丈夫じゃないじゃん」
バカは私を抱き上げてくれて、保健室まで運んでくれた、やっぱり王子様だ
ベッドに横になって、冷たい熱冷ましシートを貼ってもらうと、落ち着いて眠ってしまった