【完】無知な彼女の周り
―バカ(秋一)Side――
ベッドで規則正しい寝息をたててるのは、遥花ちゃん
遥香ちゃんは変な人だ。いつも作り笑いをする…この俺でも気付くんだ、みんなも気付いてる
たぶん、素の表情を見たことが無いと思う
いつも変な感じ…
「変な人だね」
寝てるから気付かないと思って、頬を触ってみた
すると、顔をしかめて、顔を動かすが方向が悪かった、遥花ちゃんの唇が手にあたった…
「…―ッ!!」
ただそれだけなのに変な感じ、手が一気に熱くなる
「はは、バカみてぇ」
こんなことでドキドキするなんて
…じゃあ、キスしたら俺はどうなる?
変な野望だった。でも、たまらなくなった。気付けば俺は顔を近付けていた。後少し…後少しで…
「なーにしてんの?」
「……!!」
入ってきたのは生徒会長の夏勿だった
「…な、なんでもない」
「そーだよねー」
軽い口調だが、目が怒ってた。
「看病なら俺がするから出てけよ」
「お、おう」
なんであんなことしようとしたのか、分からない…
気持ちが動いて、止まらなくなった。俺、狂ったか?
秋一が去った保健室―
「君は罪な子だねぇ
この俺をこんなに苦しめるんだから」
頭を数回撫でて、
保健室を去っていった