【完】無知な彼女の周り
コンビニに向かう途中の公園に一人の男と複数の女の人がいた。誰だどう見たってハーレム状態。男は笑顔を振りまいて、女の人たちの相手をする。でも何かが変だ。
あ、分かった。男の人、作り笑いをしてる。
私だって、伊達に人間観察をしてきたわけじゃない。どんな完璧な作り笑いだって見破ることくらいできる。女の人たちは気付いているような素振りは見せないが、たぶん気付いている。馬鹿にされてるのは、女の人たちじゃなくて、あの男だ。
なんか、いい気味だ。
しばらくジーっと見ていたせいか、男は女の人たちを帰らし、こっちに向かってくる。
「なに?君も相手してほしいの?」
自信ありげな作り笑い。こっちからすれば間抜けヅラだ。
「ばかじゃない?そんな作り笑い誰にも通用しないよ」
「…は?」
それだけ言ってコンビニに向かう。
今思えば、素で誰かと話すなんて何日ぶりだろう
コンビニについて、うどんを買って帰ることにした。一応、病み上がりだ。そして、店から出たところに、あの男が立っていた。
「ストーカー?」
「違うね」
「じゃあ何?」
「どうして分かったのかなーって」
「そんな下手な演技誰でも気付くよ
たぶんあの女の人たちにもばれてる
あんた馬鹿にされてんだよ」
「あ゛?」
キレたよこいつ。まぁ、こいつには演じる必要は無いからな
堂々と言いたいこと…
「あれ遥花ちゃんじゃん」
なんで現れたバカ!!