【完】無知な彼女の周り
「おい、なにしてんだよ」
不良君、話しかけなくてもいいじゃないか
どうみたってお取り込み中なんだから
「あ、春雄さん。紹介します。私の彼氏です」
抱きついていたのから少し離れ、腕に抱きついた
一方、この男は話を合わせて
「誠です」
たぶん名前を名乗った
「お前、彼氏いたのか?」
「いますよー。今ここに」
しつれいな。彼氏ぐらいいたっていいじゃないか。これでも高校生だ
「そうか。まぁ、知ったこちゃないがな」
そういって去って行った。
あぁ、隣を見るのが怖い…少なからずも助けてもらったんだ。なに言われるか…
「で。いつからオレ達は恋人同士になったのかな?」
「あはは…これっきりじゃないですか?」
「それで済むわけないよねー?」
そうなんだよな、恋愛モノの脇役の彼氏が出てくると、そいつはちょくちょく出てくるもんだ
「これからもお願いできますか?」
「んー?どうしようかなー?」
「必要なときだけ。それ以外は、どうでもいい仲なんだ。お前は芝居がうまくなる。私は、目立たない子になれる。どっちもが得をするじゃないか」
「まぁ、オレは芝居がうまいから必要ないが。お前がそこまで言うならいいだろ。やってやるよ」
「…上から目線なのが腹立つな」
「やってやるんだからいいだろうよ」
「まぁ、うん。お願いします。
私は、遥花。あんたは確か…」
「誠だよ。一回で覚えろ馬鹿」
「これから、よろしくお願いします」
「おう、世話してやるよ」
偽り通しの怪しい仲