【完】無知な彼女の周り
■突然のお知らせ
結局、昨日一日は最悪だった…
目立つし、あいつ(誠)には会うし…
いいことないなぁ、話も進んでないようだしさ…
まぁ、昨日一日は悪かったんだ。今日くらい良い日でしょ
「遥花ちゃん」
誰かに呼ばれて振り向くと、文化祭、私の立ち居をあげた子だ
「どうしたの?」
「あのね、昨日言いそびれたんだけど、私文化祭の日とても楽しくてさ、こんな思いできるのは遥花ちゃんのおかげだからお礼がしたくて」
「いいよ。そんなの」
私だって行きたくなかったし
「ううん、しなくちゃいけないの。だから、私の実家の旅館に来て!!うーんとサービスするから」
え?ウソ!!お泊り企画こんな簡単にかなちゃうの?!
「ホント!?」
「うん!!王子様も可奈子ちゃんも連れてさ、みんなでおいで」
「ほんとにいいの?」
願ってもない話。半分あきらめてたのに。
あー今ならうれしすぎて空飛べそう
「でも、まだ長期休業まであるからなぁ…」
「あれ?聞いてないの?」
「なにを?」
「わたしたち優勝したから、公欠が2日間もらえるの
だから、堂々と学校休めるのよ」
「それもホント?!」
「ウソなんて言わないよ」
今日はほんとについてる!!
「あともうひとつ、実はみんなに言ってあるのよ」
「へ?」
「うふふ、優勝したら、遥花ちゃんとこのみんなで私の実家の旅館に来てねって」
そうなのか!!それなら、私から切り出さなくていいってことだね
あぁ、今目の前にいるのは女神様ですか?
「ホントありがとう」
「あぁ、ごめん。ひとつ言い忘れてた。出発は明日よ」
「…え?」
「みんな早いほうがいいって言うから」
そんなに急なんですか?