【完】無知な彼女の周り
「今から何するんだ?」
「多分買い物じゃない?
一応この辺りは温泉街だから」
「じゃあさ、髪の毛あげようよ」
「あげれないからいい」
「あげてやるよ」
目立つかな?って思ったけど、いい顔してないから目立つわけ無いよね
「簡単だが良い感じだよ」
「お、あがってる」
うなじもしっかり見えてる
「そういえば、男ってうなじ好きだよね」
「まぁ、魅力的だからね」
「ふーん…」
ここのどこが魅力的なんだろう…ただの首じゃないか
「…じーっと見てると
キスしたくなる」
チュ
軽いリップ音がして
うなじにチューされたのが分かった。でもなぁ
「言っとくが、こんなんじゃ私は照れないし、惚れないよ」
「はは、手ごわそうだ」
あ、もうこんな時間だ
「もう待ち合わせ時間だ、出とかないと」
「…そうだな」
彼の顔は少し切なそうに
見えたのは多分気のせいだ