【完】無知な彼女の周り
―誠side――
いつもどこか余裕じみているこいつを焦らせたくて、キスをしようというと、びっくりするほどあっさり了承しやがった。
なんていうか、女の子らしくない。
その上面と向かってキスを待ってるから、こっちがテレてしまった
そんな時、扉が開く音がして、そっちに顔を向ければ、こいつはオレの首に手を回してキスされた。
扉との距離は2mしかないし、扉を開けたヤツの顔もみていない
一瞬のキスが終わり、扉のほうに顔を向けると、こいつにネックレスをあげていた夏勿とかいうヤツが立っていた
「見せつけてくれるじゃん」
そういった声は強がって聞こえた
「やだ、恥ずかしい」
と、彼女は高めの声を出して、オレの胸に顔をうずくめた。
すると彼は
「みんな帰るってさ、お前らまだイチャついてるつもりか?」
その声は微かに震えていた
「じゃあ、帰るか」
「うん」
芝居じみた明るい声で遥花と話して、みんなの元へ向かった。