【完】無知な彼女の周り
へぇ、可奈子ちゃんにもネックレスあげたんだ。彼女つけてなかったよ?私なんて仕方なく今でもつけてるのに。可奈子ちゃんは大切にしまうタイプなのかな
あ、もうそろそろ時間だ。職員室前で待ってよう
「ごめんなさい、もう行かなくちゃいけないので。
あ、それと、このネックレスお返ししますね」
「え?」
「好きな人が居るのに、他の女の子にプレゼントなんてしちゃいけないじゃないですか
じゃあ、これ」
驚いて、立ち上がったメガネの手を掴んで、その手の中にネックレスを入れた。
「きっと、幸せになれますよ」
そういって私は教室を出た
少女漫画も、恋愛ものの物語はだいたいハッピーエンド。可奈子ちゃんも王子様も不幸にはならないよ、きっと
私が去った後の教室にたった一人残ったメガネがネックレスを握り締めて、自嘲的に笑っていたことを私は知らない