笑顔とミルクティー
1先生と先生
「先生に彼女いるって本当~?」
本当に決まってんじゃん
「秘密」
秘密って…
正直に答えればいいのに
「結凪子、顔…不細工になってるよ」
「うるさいなー。しょうがないじゃん!」
中庭で女子生徒と仲良く話す先生をあたしたちは、2階のベランダから眺めている
「ったく、あんなに大きな声で話さなくてもいいのにねー」
確かにそうだよね
ここから中庭までは距離があるのに、会話が丸聞こえ
「結凪子は見てるだけでいいの?」
「うん、まあね」
「じゃ、イライラしない」
「はいはい」
まあ、あたしにはあの子達みたいに話し掛けることが出来ないから、見てるだけで十分
あたし達の存在に気付くはずもなく、生徒に笑顔を向ける水成先生
「水っちは悪い男だねぇー」
あれが素だったら、そうかもしれない
誰にでも、あんな輝くような笑顔を向けてたら、誰だって恋に落ちちゃうよ
それが、先生という立場だったとしても…