かたっぽうの恋



秀ちゃんは、私の頼みに
決してNOって言わないんだよ。



ううん、もう言えなくなっちゃったんだよね?







秀ちゃん…









あのころの秀ちゃんは、大好きな野球をやりはじめて、

のびのび、してたよね。









ねぇ、秀ちゃん?







どうして高校生になってから…、




野球辞めちゃったの?











私と一緒に…いるためでしょ?









わかるんだよ?
だって秀ちゃん…




高校生になってから、
私と一緒にいるとき…昔みたいに
笑わなくなったから…。





無邪気に笑わなくなったから、
どこか、大人びていて…
私の事、大切にしてくれてるのは
すごくわかるの…



私を見るとき、本当に優しい顔するから…








だけど私は、
秀ちゃんが好きな事をやって、
楽しく笑ってる笑顔が好きなの…
それを、一番近くて見てたいの…。



秀ちゃんは、見せてくれない、





私、それを奪っちゃってた…










もう、いいよ
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