かたっぽうの恋
「秀ちゃんの事、ずっと特別に想ってた。一番そばに入れて幸せ、だけど。このままじゃ嫌!」
「ちぐさぁ?」
秀ちゃんは、困った顔をして
私に近づいてきた。
そして顔を見つめて
「だ、大丈夫?」
「え!?」
秀ちゃんは、真顔で言った。
「大丈夫だよ!!わからないの!?」
「なにがだよ?」
嘘だ、ここまで言えば
秀ちゃんでも、「ちぐさ、俺が好きなんだ」って思うと思ったのに!
それで少しでも、
幼なじみ、お守りという事を無しにして
ひとりの女として、見てほしい…
秀ちゃんっ、私を見てよ!
(グイッ!!)
私は秀ちゃんの腕を掴み、
自分へと引っ張った。
「ちぐさっ!?」
秀ちゃんっ、私は女なんだよ!