かたっぽうの恋
二宮くんと私
中学三年生になり、
またクラス替えが行われた。
毎年毎年、クラス替えには、
困っちゃう。
敦子と美保とは、
一年、二年と同じだった。
「まったく、毎年毎年
三年間一緒でいいじゃんかよ!」
敦子はこういう、
発表に弱い所がある。
口は悪いけど、寂しがり屋。
そんな敦子と私はクラス替えの掲示板を見にいくのが怖くて、中庭で待機中。
「大丈夫?敦子、真っ青だよ?」
「クラス離れちゃったらどーしよ、私泣いちまう……」
弱音を吐きながら、私の肩に頭を乗せてくる。
「よしよし、――あ、美保帰ってきたぁ」
私たちの変わりにクラス替えの掲示板を見てきてくれた美保がブイサインをして戻ってきた。
「眞央ぉ、敦子ぉ~、見てきたよぉ!また私たち同じクラスよ~」
それを聞いた途端、敦子はガッツポーズで、どの生徒よりも喜んだ。
「まじかまじかぁ!ヨッシャー!キタこれ~!」
「また三人でいられるね、よかったぁ~!」
「ねぇ~、今年は受験だから、お勉強がんばらないとだけどね~」
うぐっ……、
美保ってば。
「おまえなぁ、ちょいKYなとこあるよな?」
「え~敦子ひどーい、あ、そうそ~う、眞央ぉ?」
「なに?」
「私たち今年は2組でぇ、二宮くんも一緒だよ~って言うの忘れてたぁ」
ふえ!!?
「わっわたしべつに、にのみやくんのことなんて!!」
美保と敦子には、まだ話していなかったから、そんな事を美保に言われて焦った。