かたっぽうの恋
すると今まで真っ青だったはずの敦子が、
ニヤニヤと笑い、
私の肩に腕をまわした。
「イヤ、ばれてるから!、
眞央の好きな人、
つかぁ、結局、
ずっと黙ってたなぁ!
このバカ眞央~~!」
「きゃあー!
く、くすぐったいよ!!」
「私たちに秘密にするのが、
悪いんですよ~~~?」
そっか、また
二宮くんと同じクラスになれたんだ。
神様っているんだ!
がんばれって言ってくれてるんだね。
神様、
私、これからもずっと、
二宮くんと同じ所にいたいの!
だから、二宮くんと同じ高校に行きたい。
同じ高校に入れたら、
二宮くんに伝えるよ。
「好きです」って!
それから一年間、
私は今までにないくらい、
勉強に励んだ。
成績のよかった二宮くんと同じ高校に進学するために、
私、一生懸命に勉強した。
そして、3月。
家に一通の手紙が届いた。
「お~い、眞央?
翠川第一高等学校から手紙が来てる…」
「お兄ちゃん見ちゃだめよっ!!」
兄から手紙を奪い、
部屋に戻って、手紙の封を切った。
「―――っ!」
(パサ…)
通知表を手にしたまま、動けない。
静かな部屋で頭が真っ白になった。