かたっぽうの恋



「泊まっ……てました?」


恐る恐る聞いて見ると、
藤原先生は割れた腹筋をポリポリとかきながら、大きなあくびをする。




「めすらしないで、保健室は俺の別荘やきん。」



……いや、学校だし、
教育の場だし。


…そうだ!



「帰れないほど忙しいんすか?」


残業で…。



「ちゃうし、18時には終わる。
…アルコールが抜けんへんかって
―――うぅ…気持ち悪」


職場で、しかも学校で酒飲むなよ。


藤原先生は気分悪そうに椅子に腰掛け、
タバコに火をつけた。
< 135 / 230 >

この作品をシェア

pagetop