かたっぽうの恋
藤原先生は俺に振り向き、
ふうーと一息ついた。


「まあ、実習であんな女子らにも慣れとったらええんちゃうか…」



「…からな」


よく聞こなかったのか、
拳を震わす俺に、
藤原先生は耳を傾ける。


「なに、なんて言うたん?」



俺はキッと藤原先生を睨み。


「俺はお前のもんにはならないからなぁぁぁ!ホモ野郎っ!!」


「はぁぁ!!いらへんし、
誰がホモ野郎やねんっ!?
このどあほ!!」


「触るな変態野郎っ!!」


「いてっ!!んの落ちつかんかい!!」





こうして、実習一日目が終了し
藤原先生とも健全に仲良くなれた。

保健室にも女の子がよく来るし、
楽しい実習になりそうだ。


だけど、眞央ちゃんの姿が見当たらない。




「眞央ちゃん…。」
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