かたっぽうの恋
エイプリル
四月になり、春風が新しい制服をすり抜ける。
岸本 眞央(16)
翠川第一高等学校の一年生になりました。
「もう本当に眞央は翠川の制服がよく似合うわね!
ちょっとお父さんもなにかいってあげてくださいよ!」
「おっおぉ、………ん
入学おめでとう」
「やだ、お父さんたら!
お父さん嬉しくて、鼻の下が伸びきってますね」
名門校に受かった私を、
お母さんもお父さんもすごく喜んで、
ふたりで入学式に参加してくれた。
翠川第一高等学校の前に私とお父さんが立ち、お母さんがデジカメで記念写真を撮る。
両親にこんなに喜んでもらえるなんて、
なんだか照れ臭い気持ちと誇らしい気持ちが混ざって、なんだかくすぐったい。
「眞央、お父さんとお母さんは体育館に行くから、
あなたは早く教室に行ってらっしゃいな」
「そうだね、じゃあまた後でね、お母さん」
体育館の前で両親と別れ、
教室に向かいながら鞄の中を探った。
入学祝いに買ってもらった、新しい携帯電話。
「んっと、敦子と美保はどこかな?」
慣れない携帯を操作して、
メールの文章を作成する。
《いまどこ?》
岸本 眞央(16)
翠川第一高等学校の一年生になりました。
「もう本当に眞央は翠川の制服がよく似合うわね!
ちょっとお父さんもなにかいってあげてくださいよ!」
「おっおぉ、………ん
入学おめでとう」
「やだ、お父さんたら!
お父さん嬉しくて、鼻の下が伸びきってますね」
名門校に受かった私を、
お母さんもお父さんもすごく喜んで、
ふたりで入学式に参加してくれた。
翠川第一高等学校の前に私とお父さんが立ち、お母さんがデジカメで記念写真を撮る。
両親にこんなに喜んでもらえるなんて、
なんだか照れ臭い気持ちと誇らしい気持ちが混ざって、なんだかくすぐったい。
「眞央、お父さんとお母さんは体育館に行くから、
あなたは早く教室に行ってらっしゃいな」
「そうだね、じゃあまた後でね、お母さん」
体育館の前で両親と別れ、
教室に向かいながら鞄の中を探った。
入学祝いに買ってもらった、新しい携帯電話。
「んっと、敦子と美保はどこかな?」
慣れない携帯を操作して、
メールの文章を作成する。
《いまどこ?》