かたっぽうの恋

あぁっ、もう。

二回目のドライブ。いや
送りデート(笑)


車の中、ふたりだけの世界は幸せだった。

だけと、眞央が突然。


「実習生さん…」


急に震えた声を出すもんだから、俺は焦ったけど運転中で顔が見れない。


「なに泣いてるんだよ?」



声が泣いていた、俺はとりあえず近くの河川敷の駐車場に車を止めた。



暗闇の車内で眞央の顔を覗きこむ、
涙をポタポタ落としていた。



二宮と月島が手を繋いで歩いていたと、
眞央は話した。



二宮の野郎。


話した事はないけど。たしかに爽やかで少しは人気のありそうなガキだった


せっかく良い雰囲気でドライブしてたってのに、ぶち壊す奴なぁ…二宮。



「……」


だめ、だめだ!理一。
眉間にシワが…




俺は、眞央の気持ちが今だから すっごい理解できるんだ。



「好きなやつの一番近くには、自分がいたいよな」

すると、眞央は驚いた顔で俺を見た。
そして、大粒の涙を零して「……うん」とうなづいた。


「そら、そうだ…」


……片思いなんてするもんじゃない。



叶わない恋は、好きな子が近くにいるほど難解だな…。


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