かたっぽうの恋


車を出ようしていた眞央が、いつの間にか近くにいて俺のジャージの袖を握りしめていた。



「……。」



くそ、こんな時に…ちっくしょ。
やっぱ、こいつ可愛いっ!





「な、なに?、やっぱり告白は無理か?」

「帰ってきたら――……して」


「え?、ちゃんと聞こえな…」















――帰ってきたら、ギュッてして。













全身に流れる血液が沸騰した。
< 149 / 230 >

この作品をシェア

pagetop