かたっぽうの恋
俺は「ん。」とコーヒーを飲みながら、聞いてやるぞオーラを解き放てる。


「告白されたんです、妹みたいだって思ってた子に……俺、どんな答えを出せばいいかわかんなくて」


それが誰の事を言っているのか、俺には理解できた。



コイツは真面目というか、なんというか。純粋というか奥手というか…




「彼女にしたいと思わないの?」


すると二宮は首を横に振る。


「いや、彼女とかは…。考えれない」


「じゃあ、断るか…」


「俺!、ちぐさが悲しむ姿は見たくありません。」



ヒステリックな声に力が入り、手にしてるペットボトルは握りしめたのか、パコっと音を鳴らした。




「―――ちぐさが喜ぶなら、俺はなんだって出来ます。もう泣かしたりしたくない……」


コイツ、わかってるんだ。
今まで月島のためならなんでもした。でも今回の事は簡単に決められないって


「自分の気持ちがあやふやなのに、付き合うなんてできないじゃないですか、ねえ。先生……俺、どうしたら」


二宮は俯いて握りしめたペットボトルを見つめたままで、俺に問い掛けた。



「もう、付き合っとけば?」







「……へ?」

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