かたっぽうの恋
どうやらギャルズは、自分たちが私にやった事を先生に自白しに行ったみたい。


それで慌てて先生は体育倉庫に走って来てくれたみたい。



出窓の事は、つい最近。校長と体育倉庫の片付けをしたばかりで知っていたんだって。



鍵は、なんと二宮くんのスパイクの針にひっかかっているのを月島さんが発見して、私は無事に倉庫から出ることが出来た。


先生、出窓から私のいた倉庫の中に飛び降りて来たんだけど。



「あ、俺も出れなくなった!!」


「ええっ！」



すぐに月島さんが気づいてくれたからよかった。





その後、指導室に移動した。



「今日は散々だったなぁ、お嬢さん」


先生は帰る支度をしている。


「うん、もう疲れたぁ。あぁ」


私はソファーでうなだれている、だってもうヘトヘト。



「三年の女子たちの事、ごめんな。俺が原因だったんだな」


先生はペンケースとノートをカバンにしまいながら、しょんぼりと話す。


「…、本当だよ。ファンの教育なってないよ！」


「ファンがいるとか、知らなかった」




チラッと見ると、可笑しいくらいに落ち込んでいる先生。


私に向けた背中に哀愁を感じる。



…………。
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