かたっぽうの恋
すると私の視線が痛かったのか、チラと私の事を見た。


ドキッ…。



周りをチラチラと見ると私に口パクで


『ばーか』



―――ちょっ!!


意地悪な顔をして笑う先生が、なんだかすごく嬉しかった。


他の皆に気づかれないように、私だけに見せた、飾らない表情。



嬉しさと恥ずかしさで、どんな顔をしていいかわからなくなって、私はふんっと顔を背けて。

テレビの方に身体ごと向いた。




せっかくカッコイイと思ったのに!




だけど、そんな私たちを見ている人がいた。



隣を見ると、二宮くんがニヤニヤして私を見ていた。

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