かたっぽうの恋
だけど淳子は、私から先生に告白はしてはいけないと言った。告白は男がするものらしい。



とりあえず、私は放課後に指導室に行く事にした。



「そう言えば、美保は田中くんとつき合わないの?」

急に自分にスポットを当てられた美保は色白の肌を赤く染まらした。


「け、健ちゃんと私ぃ?」



田中くん。久しぶりに出て来たから忘れている人もいるかもしれません。田中くんとは美保の幼なじみ、田中健登(ケント)くんです。



「たしかに、たしか田中も翠川高校なのに会わないよなぁ、あいつ何組?」


淳子が聞くと、美保はオドオドする。



「え、えと、あの…」



…………。


あぁ、これは何かあったな。私と淳子は感づいてニンマリとする顔を手で抑える。



「おいおい、ついに田中に迫られたか~?」


淳子が冗談で言う。


すると…。


「っ…!!!!」


ギクッという効果音が聞こえるんじゃないかってぐらいの焦り顔を見せた。


口にしたものの、まさかの予想的中に私も淳子も取り乱してしまった。



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