かたっぽうの恋
ほっぺたに、冷たい涙が伝っていくのがわかる。

二宮くんが月島さんと手を繋いでる所を見た時に流した涙を拭ってくれた先生。


私が辛い時に、優しい言葉をくれた先生。







私の大好きな先生。






涙が流れていく ほっぺたがヒクヒクと片方だけ痙攣して、頭の横辺りが熱くなる。


気付くとドアノブを握る私の手、いや…拳が震えている。



先生は女性から飛び降りて私のもとに駆け寄って来た。



「岸本、ちょっと誤解してるみたいだけどさ…」

なんで名前呼んでくれないの?



先生の手が私の肩に触れる。


「…らないで」

「きしも…」


「いやっ!!」



パシッ!!



< 219 / 230 >

この作品をシェア

pagetop