かたっぽうの恋
指導室に入ると中は暗がりだった。


「わわっ、暗いよ」


何も見えなくて、どうしたらいいかわからなくてオロオロしていると、壁にトンと頭をぶつけた。


「ひゃうっ!」


「大丈夫か?」



よろける身体を支えてくれた先生。


振り返ると、目が慣れてきたのか 目の前に先生の顔があった。



「あ…」



息がかかっちゃう距離。



「っ……」


恥ずかしくて、私は俯いた。





「さっきの、本当?」


「え?」


「俺に、フラれたく、ないってやつ」



ドキッ!!


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