かたっぽうの恋
昼休みは、敦子と美保と一緒に屋上へ。



「んーっ、気持ちいいなぁー!」


両腕をグンッと伸ばし、背伸びをする敦子、頭の上にモンシロチョウが止まった。



「あ、蝶々だ!」



今日は風が少なくて、陽射しが心地好くてぽかぽかと小春日和。


温かくて授業なんてサボりたくなっちゃうよ。



「二人ともぉ、お弁当にしよ~よ、気持ちいいのわかったよぉ」


ジタンダを踏み、駄々をこねる美保。





「「はいはい」」




敦子と声を重ねて、美保のもとに近寄ると、美保は花柄の可愛いハンカチを取り出して、それをコンクリートの上に敷き、そこにちょこんと座った。




敦子は直接コンクリートの上にドカッと座り、かばんからメロンパンを取り出した。




性格出てるなぁっと思いながら、私は手すりの策(さく)を背にして、段差のある場所へ腰を降ろした。



敦子は遠くの景色を見つめ、メロンパンをかじりながら私に聞いた。


「どうだ?、調子は」



っ!



調子と言うのは、きっと…




二宮くんの事よね。


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