かたっぽうの恋
「――んん、思ってたよりも普通に話せて、今朝とかビックリしたなぁ」
二宮くん…。
「たしかに~、授業中とかも話してるわよねぇ」
「だな、でもなぁ」
え?、でも…なんだろ?
お弁当の袋をかばんから取り出し、膝の上で開く、今日のお弁当には大好きなハンバーグが入っている。
「二宮と話してる眞央、笑ってんだけど……」
その続きが言いにくそうな敦子、お弁当を見ていた私は顔をあげて見つめた。
美保がパカッと自分のお弁当のフタを開けて言った。
「――泣きたかったんでしょ?」
え……?