かたっぽうの恋
鈍感な二宮くん
次の日の放課後も実習生さんの所に行ってみた。
(ガチャガチャ…)
「―――?」
ドアが開かない、鍵が掛かってる。
あれぇ、おいでって言ったの実習生さんなのに…、昨日よりは早めに来たんだけどなぁ。
早く話が聞きたくて、急いで来ただけに、
落胆というか、一気に元気なくなっちゃうよ。
……ま、それだけが理由ではないけど
「ふぅ…、いないのか」
私はドアにおでこをつけた。ドアの冷たい温度がおでこに伝わる。
実習生さんって、いつまで実習なんだろ?
「キャハハハハ」
ん?指導室からギャルの笑い声がした。
「だれかが、中にいるんだ…」
私はドアに耳をくっつけると、息を沈めた。
――ゴクン…
「先生、彼女いんの~?」
「あぁ、それアタシも知りたーい!」
その話題興味ある、私も知りたいっ!
心の中で、ギャルたちと気持ちを共有してしまった。
ていうか、なんで鍵閉めるのよ!
実習生さんでしょ。鍵を閉めたの!
ギャ、ギャルたちに何する気!?
(アダルトDVDの一件で、変態スケベと認められてしまった吾妻であった。)
「彼女はいねーなぁ」
あ!実習生さんの声だ!